青目の白猫が難聴の理由

今回も引き続き猫回です!

軽く復習。前回の最後に猫の体毛が白色になる理由を述べましたね。その1つは白斑遺伝子による白斑の拡大、もう1つは優性遺伝子による白化です。前回はその優性遺伝子が面白いという終わり方をしたので今回はこの優性白遺伝子についてです。

この優性白遺伝子は、猫の内耳の形成に関わる細胞の分化、遊走を妨げます。結果、その猫は難聴気味の傾向を来たすのです。また、優性白遺伝子は目を青色にします。これらのつながりがあるため、青い目の白猫は難聴である可能性が高くなるのです。

目、耳、体毛という独立したそれぞれの部位がお互い関係し合って形質を発現しているとはとても面白いですね。

でもなぜこのような現象が起こるのでしょうか。

それにはメラノサイトという細胞が深く関わっています。

猫の発生過程で、メラノサイトという細胞が作られています。このメラノサイトは体の各部位へ移動し、それぞれの場所で異なる働きをします。目に行けば虹彩メラノサイト、皮膚に行けば表皮メラノサイト、内耳に行けば血管条の中間細胞というような感じです。メラノサイトはメラニンという色素を作る働きを有していますが、内耳の中間細胞としてはカリウムイオンを輸送して電位を作るという、特有の働きを持っています。この仕組みは耳の機能を成立させる一助を担います。このメラノサイトは、優性白遺伝子により分化や遊走が妨げられるのです。

つまり、体毛が白い (=体毛の色素が薄い) 、目が青い (=目の色素が薄い)ということは、そもそもメラノサイトの不足や機能不全が予想されます。で、メラノサイトが不足しているため、内耳の形成不全により難聴を来たすということなのです。要は、同じ細胞に由来する部分が、その細胞の不足により同時に機能不全に陥るということです。

ちなみに、白人の肌が白く、目が青い傾向にあるのも似たような理屈で説明できます。

白人のメラノサイトはメラニンを作る能力が弱くなっています。だから肌が白く、目が青くなるのです。なお、メラノサイトの数自体は他人種と同程度に存在しているため、内耳の形成不全は起こらず難聴を来すことはないのです。

いかがだったでしょうか。一見関係の無さそうな部位同士でも遺伝子により繋がっているのです。面白いですね。

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